厳選!信州蕎麦ツアー「三城」

「時香忘(じこぼう)」の蕎麦は、本当においしかった。
一緒に蕎麦を食べた仲間と、「こんなに蕎麦で感動したの、初めてだよね?」などと話をしながら、車は長野県をさらに北上して、松本市へ。市街地の中心にある、「三城(さんじろ)」というお店に伺いました。
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お店は昔からある蔵を改装したのでしょうか?
キリリと引き締まった、純和風の落ち着いた佇まい。

お店に入ると、年配の女将さんが出迎えてくれました。
きっと、お店ではいつもお着物なのでしょう。青い着物が、とてもよくお似合いでした。

席に腰掛けると、まず、「お酒は飲まれますか?」と聞かれます。
僕ともう1人が「いただきます。」と伝えると、女将さんは静かにお店の奥に入っていきます。そして、落ち着いた手つきで 出していただいたのがこちら。
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穏やかな味わいの日本酒
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あみたけ。辛目の大根おろしとよく合います。

お酒がなくなると、「お代わりはどうされますか?」と聞かれたので、ドライバーさんにちょっとだけ遠慮する気持ちがありつつつも、口が勝手に「お代わりをお願いします。」としゃべってました^^;

で、お代わりの日本酒は・・・ありゃ、最初の1杯目よりも随分量が多いじゃん。
こちらのお酒のすすみ具合から、たくさん飲みそうと判断されたのでしょうか?つまみも何品か、運んでくださいました。
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奈良漬け
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酒粕のわさび漬け

先ほどと同様、渋いつまみだね。
どのつまみも、この穏やかな味わいの日本酒と合う、すっきりした味付け。
お酒がグイグイすすんじゃいます(笑)

このお店には、お品書きがない。
お酒もこの日本酒1本しかないのかな。出てくるつまみも、全部女将さんによるお任せ。
そして、酒を飲んでいる間は、蕎麦は出てこない。つまり、酒を飲んでないドライバーさん達は、僕らがお酒を飲んでいる間、ずっとおあずけ状態なんです。

さすがにお代わりは1杯でやめて、蕎麦をお願いしました。蕎麦も「ざるそば」しかありません。
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つい先ほど食べた「時香忘」の蕎麦とは正反対の、控えめで、穏やかな味わいの蕎麦。最初のうちは、少し物足りなく感じましたが、食べ進むにつれてこの蕎麦のおいしさが、じんわりと感じられてきました。

蕎麦は喉ごしがよく、ツルツル~っと胃袋に収まっていきます。
喉を通りすぎた後に、蕎麦の風味が鼻腔の奥からふんわりと立ちのぼってくる。穏やかな風味のもう少し奥の方まで感覚を澄ませてみると、きりっと力強く主張する、瑞々しい蕎麦の味わいが感じられる。一見、派手さはないけど、とてもおいしい。
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蕎麦を食べていたら、漬け物の盛り合わせも出てきました。
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〆は黒豆。

このお店は、店の佇まいから、女将さんの接客、お酒からつまみまで、全てに一本、芯が通っている感じ。使い古された言葉だけど、「粋」という言葉が一番適当なのかもしれない。江戸の時代から伝わる、日本の文化を存分に楽しませてくれるお店。

ただ、飽食の時代と言われる現代で育った僕からすると、余分なものをそぎ落としたこのお店に、物足りなさを感じなくもない。でも、こういうお店がちゃんと評価され、残っていることに、僕は勝手にうれしく思う。いろんな価値観が受け入れられてこそ、「豊か」であると思うのです。

この「三城」は僕があまり行くタイプのお店ではありませんでしたが、かなり気に入りました。
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